3つのポイントで論点整理 『論点思考』内田和成著
久々にビジネス書を読んだ。
僕はあくまで現象を見ていただけだった。木を見て森を見ず、でした。
イントロ
僕は、営業時代、目の前の問題を解決することで手がいっぱいだった。その問題を解決したところで、何度も同じ問題が浮上し、根本的な解決に至らないことがあった。
とりわけ、直近の仕事では、本部を担当するというポジションにいた。日々、店頭と本部から課題や問題点(主に売上)が報告され、満足な成果を生むことができなかった。どうにかレポートを提出したところで、それは短絡的な解決しか生まなかった。
改めて、物事の考え方や、問題解決の取り組み方を学ぼうと思ったときに出会ったのが、内田和成の『論点思考』だ。
本書から、ポイントだと思ったのはこの3つだ。
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自分が解いている問題は「正しいか」
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事実、観察事象≠論点
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当たりをつける
自分が解いている問題は「正しいか」
例えば、上司から商品Aの利益率の改善を指示されたとしよう。咄嗟に浮かぶ回答は「原価率の削減」や「人件費の削減」だ。
しかし、そもそもその商品Aが売れていなかったら、その商品Aについて解決策を考えること自体ナンセンス。もっとニーズの高い商品Bを代替えで考えたり、思い切って商品Aを切り捨てることも一案だろう。
つまり、いざ上司から「〇〇を解決しろ」と指示があったら、それが課題と安直に考えてはいけない。その問題が、本当に解決するべき問題なのかを考える必要がある。本書では、根本的に解決するべき問題を「論点」としている。
そして最も効果的な論点は「解決した際、一番効果の高いもの」だ。
事実、観察事項≠論点
僕は、目の前で起きている問題が「論点」と考えてしまう。
しかし、その問題は、根本に他の原因があって発生していることが多い。つまり、目の前で起きていることはあくまで現象であり、「論点」ではない。現象はあくまできっかけだ。本書の言葉では、「問題のへそを見つける」と表現している。「論点」を発見するには、現象に対して「なぜ、なぜ、なんで?」を繰り返すことが必要だ。
当たりをつける
何が論点かを考えるとき、「当たり」をつけて考えをスタートすることが大切だ。僕は、この「当たり」をつける作業がすごく苦手。店頭で問題が起きたり、売上が不振になった時、片っ端から問題となっていそうなことを洗い出す。(ただ、これはあくまで現象の解決にしかならなかった)何が「論点」か分かっていない人の典型だと思う。
何が論点なのか「当たり」を現象から一歩踏み込んで考える。その際に現場からのヒアリングが非常に有効で、気が付かなかった「問題のへそ」を見つけることもできる。
また、「当たり」をつけることによって、不要な分析を行わないで済む。僕みたいに色々な物の分析から始めると、風呂敷だけ広げて結果何が問題なのかがわからなくなるのだ。そして、いたずらに時間だけが経過する…
まとめ
「論点思考」は経験の蓄積と常に問題意識のを持つことの必要性を説いていた。経験の蓄積は、文字通り経験が必須。
しかし、問題意識を持つことは今からでもできる。上司の指示に反論しろ、ということではない。視点を変え、視座を高くし、視野を広げる。常に、問題意識を持っていれば、自然と情報を集める習慣になり、それは「論点」を解決する際に大きな武器となるはずだ。
自分が解いている問題は「正しいか」を考え、「論点」に当たりをつけること。そこから初めて、検証し、分析し体系化する。
まず分析!はナンセンスだったと今更ながら思った。