駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

数字が苦手な僕でもわかるKPIマネジメント

『最高の結果を出すKPIマネジメント』(中尾隆一郎 著)を読みました。

数字、定量思考が苦手な僕でもKPIを立ててみたくなりました。

 

エントリのポイント

• KPIはKGIとのギャップを埋める数値目標

• KPIはゴールではなくプロセス

• KPIは一つ。目線をそろえる

 

 

イントロ KPIとは何か?

僕は、KPI=数値管理だと思っていた。まだ在職中業務の中で一番苦手だったことは「目標」を立てること。

特に定量面。数値目標を作成するけど、いかんせん根拠が弱かったり、実績に基づきすぎてリアルすぎたり…

よく上司に言われたのが「KPIを意識して業務をすること」「KPIの設定が下手」だった。もちろんKPIの言葉自体は知っている。Key Performance Indicater。

個人的には「数値目標」と考えていた。つまり、達成するべき数値すなわちゴールである。

しかし、実際には僕のKPIの考え方は根本的に間違っていた。

 

KPIはKGIとのギャップを埋める数値目標

KPIはゴールではない。Key Performance Indicater。

日本語訳すると、Key(鍵)、Performance(行動)、Indicater(指標、数値目標)。「事業成功の鍵となる行動の数値目標」である。

 

つまり、ゴールではなく、そこに至るまでに「何を」「どれくらい」実施すれば、成功できるのかの「どれくらい」を数値化したものである。

KPIを立てるということは、目指すべきゴールに至っていないということ。つまり、ゴールと現状にギャップがあるということだ。そのギャップを埋めていく過程の数値目標だ。


KPIはゴールではなくプロセス

では、KPIがプロセスを数値化したものであれば、ゴールは何になるのだろう。

それがKGIである。Key Goal Indicater。最終的な数値目標だ。例えば、利益100万円、顧客数10万人など、最終的に企業が定めるゴールがKGIとなる。

 

例えば、売上で考えてみる。
企業Aの本年度の利益目標は10億円。昨年の実績が80億円だった。そのギャップは▲20億円。昨年同様の業務や、経費使用をしたら、売上予測は80憶円でステイ。

つまり、何かしらの対策を打つ必要がある。


そのギャップを埋める行動をCSF Critical Success Factorと言い、CSFを数値化したものがKPIである。

つまり、KPIはゴールではなく、成功のプロセスを数値化したもの。

KPIのマネジメントを何度も回転させ、ギャップを埋めてゆく。本書ではその過程をPDDS(Plan Decide Do  See)と表現しており、KPIマネジメントの肝としている。

  • 考え(Plan)
  • 施策を素早く絞り込み(Decide)
  • 実行して(Do)
  • 振り返る(See)

ことで、KPIマネジメントのサイクルが回っていくのだ。結果化が出てよくできました!で満足してはいけないようだ。


KPIは一つ。目線をそろえる

KPIは一つに絞る。あれもこれも手を付けて運営しようとしてはいけない。本書で沢山の数値目標を掲げることはKPIマネジメントではなく、数値管理だと表現している。
目指すべき数値がたくさんあると、どこに手を付ければいいのかがわからなくなる。

結果、各々が色々なところに対策をして、中途半端、未達で終焉を迎えてしまうことも多い。


先にも述べたが、KPIをマネジメントする際に大切なことはPDDS。その中でも僕は、DecideSeeがより大切だと思った。


様々対策アイディアが浮かんできた際、何がJust Ideaなのか素早く絞り込む必要がある。対策の絞り込みが適正に行われなければ、効果的な行動を行うことが出来ないからだ。

「どれを改善すれば、すぐに結果が出るのか」をチームで目線合わせをして、実施していく。ベクトルがそろっているチームは強い。


そして、See。KPIを一度回してみて、結果が思わしくないこともあるだろう。その際に振り返ることが必要だ。その際、そもそも目線がそろっていなければ、振り返りだってそもそもできない。振り返りをし、新たなKPIを作成する上でも、目線をそろえることは非常に大切だ。


まとめ

イントロでKPIの設定が苦手だと書いた。しかし、僕はそもそもKPIが何なのか、どのように運営するべきものなのかを全く理解していなかった。そんな状況でKPIが苦手とか言っていたことが恥ずかしい。


ゴールを掲げ、現状とのギャップを確認し、ギャップを埋める適切な行動を決め、それを数値化する。このプロセスを理解していなかった。定量面の目標設定が苦手なのは、事業を回転させるプロセスと、そこに付随する数値を理解していなかったからだ。


KPIマネジメントが苦手と思っていたが、やり方がわかれば、KPIを設定してみたくなる。そしてサイクルを回してみたくなる。

 

なにより、早く仕事をしたくなった。( ´∀` )


ではでは。


補足

『最高の結果を出すKPIマネジメント』を読んで、『論点思考』と共通するところが多いと感じた。

 

www.white-kutshita.com

 

①現状を把握しギャップを把握すること

②仮説を立て、比較し絞り込む(スピーディーに)

③現場で運営、簡潔出来ること

 

である。一流のビジネスマンの思考はシンプルで簡潔ということを思った次第。
また、本書のコラムで下記のリンクが紹介されていた。

努力しても成果がでない人はここに無駄がある——成果を出す人は「後ろから」考える | BUSINESS INSIDER JAPAN

この考え方も『論点思考』に記載があった。まさしく僕の欠点が浮き彫りになった。僕は「前から考える」人間。だから仕事が終わらないし、何をやっているのかがわからなくなる時もある。「後ろから考える」人間に早くなりたい。