留学日記:トロント公共図書館
トロントにきて一週間たった。
基本的に学校に行っているのであまりアクティビティらしいことはしていない。
学校の帰りに一番行っているのは図書館。英語環境にいる以外結局図書館に通う生活は変わらない。
図書館の数
トロントにはたくさん図書館がある。公共図書館の数は20だ。人口の規模を考えると結構多いと思う。13万人に1図書館。僕の住んでいた横浜市では20万人に1図書館だった。また、以前もかいたけれど、図書館によっては地域格差が激しく、僕の住んでいた鶴見区の図書館はマジでぼろかった。
トロントは比較的どこでもきれい。そして施設環境が非常に整っている。
設備万歳!
日本の図書館と比べて何が違うか。一番は設備。
閲覧席は利用者カードを作成しなくても使用できるが、無料で作れるから作っておいても損はない。在学証明書を持っていったらすぐに作成してくれた。
日本の図書館はwi-fiが滅法だめ。何かの利権問題で導入しないのかどうかわからないけれど、これだけネットワークを使用し多くのことが成せる時代なのに、その点は非常にアナログ。別に贔屓をしているわけではないけれど、日本の公共wi-fi環境は圧倒的に遅れている。
設備貸し出しも充実している。パソコンは古いけれど問題なく使えるし、USBなどのメモリも使用可能。驚いたのは楽器。特に楽器を借りる予定はないけれど、貸し出しもしてくれる。なんの楽器があるのかは気になる。
座席も多数あるし、用途によって変えることができる。静かに勉強したい空間、雑談しながら使えるスペース、リラックスしたいスペース。日本では図書館=静かに過ごす、昼寝厳禁なところがほとんどだけれど、トロントの公共図書館では比較的自由に過ごせる。
寒いから図書館で暖をとる人もいるし、パソコンでゲームしている人もいる。公共の拡大解釈がすごい。
セミナー、コミュニティー万歳!
頻繁にセミナーが開催されている。
などなど。もう少し余裕が出てきたらいくつか受講してみたい。移民の町ということもあり、英会話の講座や仕事探しのセミナーがあることも面白かった。
本来の「公共」とは
公共図書館≠本の貸し出し、の場所ではないと僕は常々思っている。図書館は町のステータスであると思うし、それこそ皆が集まれる一種のコミュニティサイトであるべきだと思う。社会には様々な人がいて、階層がことなり、貧しい人、裕福な人、白人、黒人、黄色人種、LGBTなどなど多岐にわたる。そのような多種多様な人々を「一般」として括るのであれば、公共の施設はより多様性をもった機能を備えていないといけないはずだ。
日本の図書館は本の貸し出し、机椅子の貸し出しで満足しているし、それに満足してしまっている僕もいる。ただ、本があって、様々な設備があって、皆が集まってくる(自主的に)場所は、「個」の活動だけをする場所である必要はない。多種多様な人種や思想が混ざり合うことが本来の「公共」ではないだろうか。
図書館は町のステータス。僕のこの考えは間違っていないと思う。日本でもそれは感じていたことだ。しかし、「公共性」があるか否かを考えたときにそれはまだまだ乏しい。図書館にくる様々な人を取り込んで「図書館≠本の貸し出し場所」のイメージを払拭することそれは図書館の公共性を高める上で非常に大切なことだと思う。