駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

SHOE DOG

Nike創設者フィル・ナイトの自伝をやっと読み終えた。

 

オニツカの販売からNikeの創設、株式上場までをフィルの一人称目線で振り返る。

今では誰もが知る世界のNikeだが、それはチャレンジと失敗、決断の歴史。

何事も始めから上手くいく訳はなく、様々な障壁を乗り越えて、精神的にも体力的にも太くなることで次のステップへとたどり着く。

 

フィルは常に「走る」が精神にも、身体にも染み込まれた人物だ。常に何かを走らせ、自分自身も走る。拠ん所無い悩みにぶつかった時彼は文字通り走った。

自分を支える、そして回帰できるものがある人は強いのかもしれない。何故なら、何かが起きても起点へ戻れば再スタートを切ることができるから。起点がないと、常々自分の出発点を見失ってしまう。自分の帰れる「場所」を持つことは大切だと思った。

 

そして、物を好きであり続けること。彼は靴に情熱を注ぎ込んだ。彼の周囲の人もそのような人々で溢れた。好きこそもののetcではないけど、好きなものをとことん愛する(ジャンキー化)事は何事においても第一人者になる上で重要な事だ。

Nikeがアパレルを拡大し始めたのは創業から暫く経ってから。彼は心底SHOE DOGだった。

 

Nikeのプロダクトを見ると、靴が好きな人がそしてスポーツが好きな人が作ってる事をひしと感じることがある。ある人から見れば単なる靴に過ぎないのだろうけど。

多くの靴のベースには「スポーツ」が根底にある事を忘れない。THE TENを始め、ファッションの靴のイメージが強いが、Nikeの靴の根底は常にスポーツでカルチャーやファッション性は二の次だと思う。それは、フィル・ナイトの精神が今でも受け継がれている証拠だろう。

 

昨年のファッションブランドの売上総額は1位Diorで2位Nikeだった。こっれはアパレル、シューズ、アクセサリーを含めての金額だがシューズが占める割合は多いに違いない。何よりスポーツブランドが数多あるブランドの中で2位になるのだ。1970年代に築き上げたフィルの精神が2018年の今でも支持されており、かつファッションの面への拡大が著しいことの証明だ。スポーツカンパニーがこれからどのような発展を遂げる事が出来るのかを一番に示してくれるのは間違いなくNikeだろう。

 

SHOE DOG、SPORTがある限りこの会社の成長は止まらない。