駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

カナダ留学忘備録 準備編:④親の同意

「別に成人しているんだから親の同意なんて必要もないじゃないか」

と思う人も多々いると思います。事実僕もそう思ってました。海外旅行レベルであれば特に何も言わない親でしたが、いざ留学となるとそうもいかないようです。

 

留学に行く人と話していると、意外とこのの手の悩みを持つ人はいるようで、個人的に思ったことをまとめてみます。(今日のエントリは長いです。)

 

イントロ

「なんで海外に行く必要があるのか?」

海外に行くことを伝えたら返ってきた返答がこれだった。言わんとしていることは分かる。
僕は今29歳。一般的な日本人の29歳であったら、就職してそれなりに働いていても不思議ではない。もちろん僕自身日本ですぐに就職したほうがよっぽど親を安心させる。

また、わが母は自分でいうのも恥ずかしいけれど、極度の心配性だ。やや過保護気味のところもある。本人はそう思っていないようだが、みんな感じているくらいだ。

そんな状況下で行く留学。はじめはきちんと理解してもらって、留学することに納得してもらおうと思っていたけれど、僕は早々に諦めた。

 

ただ、100%同意のもと行くわけではないけれど、それなりにこの話し合いには帰着があったのでまとめてみる。もし、社会人になって留学やワーホリに行きたいけど急に親が小うるさくなったとか、逆に「留学したい!」と話し出した子供を持つ親に読んでほしい。

 

親の同意を得るまで

ラウンド①親へ留学について伝える

昨年の10月に僕は約20日間の海外旅行をした。旅行はすごく楽しかった。もちろん金銭的な不安はあったけれども、ストレスなく過ごすことができ、現地の人やホステルであった人と会話することが楽しかった。その旅行は、以前より興味があった留学を再度考えるきっかけになる。


帰国後、海外に長期で滞在する方法として「学生ビザ」「ワーキングホリデービザ」どちらで行こうかを検討する。どうしても「就職」というキーワードが僕の頭からは離れなかったので、期限を決めて「学生ビザ」で」行こうと決めた。


一時ワーキングホリデーに興味のあった僕はすでに協会に登録をしていたので、渡航目的を「留学」に切替見積もりなどを作った。

 

11月。たまたま母親が東京へ出てくるタイミングがあったので時間を貰って、留学することを考えている旨をつたえる。反応は芳しくない。もちろんこのことは予想できていた。就職だって、転職だって、なんでも「安定」を求める傾向にある保守的な母親を説得することは困難だ。


出たのが質問が
「なんで海外に行くの?」
「カナダじゃないとダメな理由は」
「帰国したらどうするの?」
「お金は?」
「住むところは」
「結局何するの?」
「身体は大丈夫なの?(先の仕事で不調に陥ったことがあったため)」etc

 

一つ一つに回答する。しかし、この段階ではプランはオーバーオールしかできていないので、回答に窮するところもある。ここぞとばかりに細かいところにまで突っ込みが入ってくる。お互いのコミュニケーションにもとげが出てくる。喫茶店で話していたが、あまり気持ちのいいものではない。

特にお互いに経験値0の内容を、あくまで紙面上の内容だけで話しているのだから、平行線をたどることも当然。全く交点が生まれないまま時間だけが過ぎる。

 

僕自身も話しててイライラが募ってくる。


「やりたいことに対してネガティブな感想しか言わないのだろう?」

「経験がないのに何で知った口で話ができるのだろう?」

話ながら考えるのはこんなことばかり。


そう。この段階で僕の心情は「母親から反対されている」と感じたのだ。精神年齢が低いといえばその通りかもしれないが、自分が一か月ほど考えてきたことをのっけから反対のスタンスで話を聞かれては誰だって腹が立つのではないだろうか。結局、

 

「話は聞きました。どうするかは具体的に決めてから話してね。私は賛成していません。」の回答でその日は終了した。

 

ラウンド② 入学金振込のタイミング

3月に渡航するには遅くとも12月前半には入学金を納める必要があった。そのため、半月ほどでもう一度プランのリバイスをする。そして以下のことを決める。

  • 半年間で帰国する
  • カナダでも日系企業へエントリをし、帰国後すぐに就活をする
  • 環境が合わなかったら即時帰国する

メールでこのことを伝えて、「少しでも賛成の意が聞けるとよかった」と追記した。
珍しく即レス。「行くことには反対はしない。ただ心配なだけ」

 

自分のことばかり考えて動いていたことに反省。いかに過ごすかはもちろんだけれど、「いかに心配させないか」をきちんと話すべきだったと思った。心配してくれる人がいることは人生においてありがたいことだなとも思った瞬間だった。
「心配をさせない」と宣言したことから、少し留学に行くうしろめたさから解放されたような気がした。

 

ラウンド③ 留学詳細の説明会

無事入学金の振り込みも完了し、ビザや国内役所関係の手続きももろもろ完了した。

そのタイミング僕は留学についての詳細をまとめた資料を作成し両親に話した。

 

  • 学校
  • 住居
  • フライト
  • 金銭管理
  • 保険
  • 緊急連絡先

前回の11月の反省を生かし、また、確実に詳細が固まった内容もあったのできちんと話をした。もちろんホームステイ後(予定では一か月)いこうの住所については、渡航後2週間で一度アンサーを返すことにした。

 

この期になっても、「〇〇が心配だ」「××が起きたらどうするの」ってことをさんざん言われる。そんな親にこちらから言えることは一つだけ。

行ってみないことにはわからない。ただ無事に帰ってくる。

実際に行ってみないとわからないことだらけだし、渡航先で何が起きるのかも分からない。だからそれしか言いようがないのだ。

 

まとめ

結局100%の同意を得ることはできませんでした。ただ、今まで以上に、親が自分に対してどんなことを考えているのか、を考えるきっかけになったことは事実です。

子供サイド、親サイドでそれぞれに考えがあることは事実です。

決断と心配のつばぜり合いというところでしょうか。

今回は留学へ行く身として子供サイドでエントリをまとめます。

 

子供から親へ思っていること

子供は自由に留学のことを考えているように見えるけれど、親のことを心配させないようにそれなりに考えている。

だから、変に口を出されることが嫌なのだ。それなりの年齢になったら誰だって自我がある。親が想像する以上に子供は自分のことや周りのことを考えているのだ。

 

また、年長者だから子供に言えることももちろんあるだろうが、未経験者から言われても…と思うのも正直なところだ。

やったことないのに口を出すな」は突き放すような冷たい言い方かもしれないけれど、それはそれで事実だ。自分の人生経験で補完できないことなんてたくさんある。もちろん、すべてにおいて通ずる人生訓のようなものもあるとは思うが、多くのことは本人が体験しないとわからないと思う。

「やったことないから、やらない」のではそこでエンド。「やったことないから、やってみたい!」は経験値になる。(もちろんやっていいこと悪いことの分別をつける前提)

 

もし、ただ海外を彷徨います、なんて場合には少しは心配をするだろう。ただ、多くの子供は、海外に行って楽しみたいだけ。少しでも自分を成長させたいだけ。ではなぜ、国内の進学校に行きたいという事にはポジティブで、海外の学校に行きたいということにネガティブになるのだ。成長したいという気持ちをもう少し前向きにとらえてもいいと思う。

 

そう、子供が望んでいるのは「自分の決断へのポジティブな同意」だ。

 

親の心配事を減らすために

僕は結局親の心配事を減らすために決めたことはは3つ

  • しっかり準備することだともう。
  • いやでも定期的にメールか何かで連絡を取ること。
  • そしてなにより無事に帰国すること。

 

それしかやりようがない。

 

最後に親へ思うこと

留学なんてできるのは、両親が元気でいるからだと思います。

それには本当に感謝しかありません。いろいろと心配事は尽きないと思いますが、

帰国して満足そうな顔を見せらたら何よりだと思います。

 

ではでは。