駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

壁の内側から

高い壁があり、それは周囲を囲っている。僕は壁の外に出ようとしないし、壁の中の生活を当たり前として受け止めている。もしかすると、壁の中の生活を「代償」として受け止め、諦めているのかもしれない。

 

僕は、壁の先に広がる空を眺めた。空は、鈍色の雲で覆われている。この空が晴れることはまずない。この世界は、鈍色の雲で蓋をしてしまっているのだ。そして、壁を設けて自由を奪っているのだ。

でも、たまに青空が垣間見れる。しかし、それは本当の青空なのか、それとも幻想なのかわからない。

 

でも、たまに垣間見る青空を眺めると、この壁を越えたら僕は自由を手に入れられると思った。やりたいことも出来るかもしれない。ただ、何をやりたいのかは漠然とも思い浮かばず、それなら壁の中でのんびりと過ごした方が楽だという事を常々考えてしまう。

 

一度、壁を越えてしまうと元の戻れないかもしれない。今まで築いて着たことが崩れてしまう可能性もある。結局そうなるよりかは、我慢して過ごす方が楽なのかもしれない。

ただ、僕は思った。果たしてこれは僕が望んだ世界なのだろうか。高い塀

壁は眺めさせ、諦めさせる。そうしていつまでも壁の中に縛り付ける。その方が守られるし、安心だから。でも、僕が壁の中で築き上げて着たものなんて、たかが6、7年の出来事だ。一度崩したところで、これから新たに築き上げたものの方が、最終的には高くなる。

僕はまだ、新しいことができるのかもしれない。色々な柵から解放されることは出来るかもしれない。新しい自分をどこかで見つけられるかもしれない。

 

動いてみたらどうにかなるかもしれない。動かないとどうにもならない。だから、一度僕は壁を殴ってみた。