駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

ローカルな駅とタクシーと

埼玉のローカルな駅にて。

 

待ち合わせのために、初めて降りる駅。

駅前には何もない。

ここら辺はきっと、週末は近所のイオンに行くことが楽しみな、地元消費経済優先家族がたくさん住んでいるに違いない。仕事も近所、買い物も近所。パート代で働くスーパーで消費する。限りなく、消費経済圏をコンパクトに。

 

僕は、一つの商圏での生活が息苦しかった。だから大したものでなくても東京で買い物をすることが一種の美徳と考えた。そして、東京で働きことにした。でもよく考えてみたら、買い物するところは、表参道、銀座とコンパクト。自分の生活圏外で買い物しているが、消費経済圏としてはコンパクトに違いない。もっぱら通販、特にAmazonで買い物をすることが増えたこの頃は、もっと消費経済圏が狭まっているのではなかろうか。便利な世の中にただ委ねているだけかもしれない。

 

そんなことを考えながら、待っている。

目の前にはタクシーが止まっている。どこの田舎もよろしく稼働率は低い。特に観光地でもないからなおさらだろう。運転手は、運転席から出て風に当たってる。今日は風が気持ちい一日だ。

 

タバコをふかしながら客を待つ。でも、客はなかなか現れない。大体の人は自家用車が迎えに来ているし、月極めの駐車場に自家用車を止めている。

 

そう、この近辺ではタクシーの需要は低いのだ。主要な場所へはコミュニティ路線が走っている。火球の用事か辺鄙なところへ行かない限りタクシーを使う用事はない。

 

景気が良くなるとタクシーの稼働率が上がるという。主にナイトマーケットが盛んになり、結果タクシーの使用者が増えるかららしい。

でも、この駅にはナイトマーケットはない。だから、売上が上がっているのかはわからない。

 

無線が入ったのだろう。タクシーは客を乗せずに出発した。もしかすると就業時間終了だったのかもしれない。午前中にしっかり稼いでいたのかわからないし、日がな一日風に当たってタバコをふかしていただけかもわからない。

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でも、夕焼けを見ながら風に吹かれてタバコを吸っている様子は幸せそうだった。