駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

ストリートからメゾンへ

久々にアパレル業界ネタ。

 

昨日GIVENCHYの次のクリエイティブディレクター候補にoff-whiteのバージル・アブロー氏の名前が上がった。氏のスポークマンはその事を否定しているようだが、リカルドテッシ氏が退く今、次のGIVENCHYのディレクターが誰になるかは気になるニュースであることに変わりはない。

 

一昨日だったか、supremeがLVMHに560億で買収というニュースもあった。supremeは「ネットが流したデマ」とあったが、17A/Wでのコラボがあったことからもほんの少し可能性のあるニュースだった。(以前なら完璧な嘘だと一笑していたと思う)

 

最近はストリートが主流だ。各メゾンもストリート要素が強いアイテムを作ることが多い。そう考えると、上記二つのことは実際に起きても不思議ではない気がしてくる。

 

アブロー氏はoff-whiteのブランドの昇華を目指すことが一番としているが、自身のブランドが一定のレベルまで達した後のキャリアを考えると残すはメゾンとなる。

 

ここ数年「メゾンのデザイナー」ではなく「メゾンのクリエイティブディレクター」という表現が増えた。2シーズンのコレクションに留まらず、プレ、ホリデーさらにはコラボと以前より格段に多忙にアパレルのリリースを考えると、全てを一人でデザインすることは不可能だ。ディレクターの意向を汲み取り、デザインチームがデザインするスタイルでないと継続できないだろう。以前よりエディスリマンがこのことについて警笛を鳴らしていた。

 

ストリート出身がメゾンのディレクターとなるメリットには上記のことが考えられる。ストリートは頻度の高い商品リリース、コラボに抵抗が低い。メゾンがhaute coutureをショーのベースと考えると、ストリートはほぼprêt-à-porterがベースだ。常に最高のショーを求められるメゾンのデザイナーより、チームで作るストリートの方がフットワークが軽いのではないだろうか。また、ストリートは仲間意識が強い。過去の裏原は仲間意識特に各ブランド同士の関係性が強かった。チームで作ることにストリートは長けていると思う。

 

一人で全てを作成しない分、それぞれに目を光らさないといけない苦労はあるだろう。しかし、チームであることの一体感が強みであることに違いはない。ガリアーノディオールを解雇された年のショーはデザインチームの素晴らしさが光った。ガリアーノの功績は揺るぎないものだが、何より素晴らしいデザインチームを作ることが、メゾンにとっていかに必要かを知らしめた。

 

チームを統率することと、デザインの力量は分けて考える必要が出てきたのだろう。ディレクターは何よりベクトルを合わせる統率力が必要だ。そのことにストリート出身を起用することは自然な流れかもしれない。supremeの買収は、supremeが欲しいだけではなく、今後のLVMH各ブランドのディレクションにとっての布石のとも考えられる。今後メゾンとストリートとの関係性はさらに密になってくるのではないだろうか。

 

こんな事を真剣に話せる会社に転職したいなー笑