駄話日記

おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり

言葉の背景

今、司馬遼太郎の『菜の花の沖』を読んでいる。

実家から持ってきて、さっぱり読んでおらず、積み本になっていた。

 

そこに「樽廻船」が出てくるのだが、その言葉を聞くのは高校の日本史以来だった。

当時は、北前船や、菱垣廻船、樽廻船etcと江戸の経済に出てくる単語を暗記するだけで一杯一杯だった。社会科は好きな強化だったが、覚えることが多くてしんどいこと、あと高校の教師の顔が狸に似ていることくらいしか思い出になかった。

 

まぁ、そこまで楽しい授業ではなかったことは確かだったと思う。

 

しかし、さすが司馬遼太郎先生。各専門用語の解説まできっちりしており、「なるほど」となることが多い。

 

今更だが、「樽廻船」は酒樽を運んだからそう呼ばれるようだ。当時は、様々な荷を積んで、兵庫、大阪、江戸と船を走らせるわけだが、その荷物の形状が様々であったために、荷積みに時間を食っていたらしい。しかし、樽は容器の形状が統一であるために、荷積みの時間が大きく削減され結果「速い船」となった。

 

なるほど、高校の時は船に何を積んでいるのかなんか一切考えてなかった。

江戸時代の方々もよく考えられた名前をつけたもんだとおもった。

 

言葉だけ、覚えたところで、たいして役に立たない。その言葉の背景を知って役に立つ。

 

高校の時の勉強方法にちょっと後悔している今日この頃です。